NOWHERE BOY

Getting so much better all the time.

Liam Gallagher 『As You Were』

アズ・ユー・ワーアズ・ユー・ワー
リアム・ギャラガー

ワーナーミュージック・ジャパン 2017-10-05
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リアム・ギャラガーのソロ・デビュー・アルバム『As You Were』。

好評みたいですねぇ、このアルバム。全英チャートで初登場1位、その初週のセールスは2位から20位までの作品の売り上げの合算を上回るほどだったとか。そしてリリース3週目でまだ4位につけています。以前インタビューで「ソロが失敗したら永遠に消える」とか言ってましたけど、これだけ売れてたらさぞかしご満悦でしょう。

リアムがようやく重い腰を上げてソロとしてのキャリアをスタートさせる。待ちに待った再始動の報は勿論嬉しかったけど、僕は内心不安で仕方なかった。アンディもゲムもいなくて大丈夫なのか?曲は誰が書くんだ?確かにOasisやBeady Eyeでも曲を書いた経験はあるとはいえ、1曲や2曲ならともかくアルバム一枚持たせるのは無理なんじゃないか?

そんな僕の心配はファースト・シングル"Wall Of Glass"を聴いた瞬間に吹き飛びました。なんだ、やればできるじゃん!と快哉をあげたくなるロックンロール・チューン。共作とプロデュースを担当したのは当代随一の売れっ子、グレッグ・カースティン。以前インタビューで「俺は偉大なソングライターじゃない」と語っていたように、リアムは自分が何者かをちゃんと理解していたわけですね。

今回のソロ・アルバムの制作にあたって複数のプロデューサーやソングライターを招聘。前述のグレッグ・カースティンをはじめ、The VaccinesやThe Kooksなど若手ギター・バンドを多数手掛けてきたダン・グレッグ・マーグエラット、ブルーノ・マーズやLordeと仕事をしてきたアンドリュー・ワイアットら腕利きの職人を集めて万全の布陣で臨みました。

リアムがスペシャルなシンガーである事に異論を挟む余地はない。とはいえどんな曲にも対応できる器用な歌い手ではないし、良くも悪くもクセが強い。それを踏まえた上で「チーム・リアム」はまずリアムのキャラクターをいかに生かすかという点に心を砕いたはず。

果たして『As You Were』に収録された楽曲はどれもがリアムがリアムらしくあれる最善の形のものばかり。60年代のロックのテイストをふんだんに盛り込んだアレンジ、そしてダイナミックなプロダクションがリアムの歌をきっちりバックアップしています。

"Wall Of Glass"をはじめとしたビッグなロック・サウンドと相性の良さが際立つリアムの張りのある歌声。英国きってのロックンローラーの面目躍如と言いたくなるカッコよさに痺れる。ただそれ以上に今作ではミドル~スロウ・チューンの出来がすこぶる良い。フォーキーなナンバーでは素朴な味わいのメロディが胸に沁みるし、感動的なバラッド"For What It's Worth"なんかどうしたってOasisの影がちらつくもの。

あえて難癖をつけるなら楽曲のバリエーションが多くないぶん、もっとコンパクトにまとめた方が良かったかな。とはいえOasis時代からのファンも納得させるだけのクオリティを有した力作だと思うし、ソロ・アーティストとして上々のスタートが切れたのは喜ばしいですね。


Liam Gallagher "Wall Of Glass"



Liam Gallagher "For What It's Worth"



Liam Gallagher "Chinatown"

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