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Wolf Alice 『Visions Of A Life』

ヴィジョンズ・オブ・ア・ライフヴィジョンズ・オブ・ア・ライフ
ウルフ・アリス

Hostess Entertainment 2017-09-28
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英ロンドン出身の4人組、Wolf Aliceの2作目となるニュー・アルバム『Visions Of A Life』。

正直に告白します。つい最近まで僕はこのバンドを完全にみくびってました。彼らがメディアに出始めた頃にYouTubeで1,2曲聴いてみたんですけど、「はいはい、USオルタナが好きそうなタイプね。近頃よく見かけるわー、こういうバンド┐(´-`)┌」てなイメージしか抱かず、アルバムも当然スルー。

そんな僕がWolf Aliceに興味を持ったきっかけは、今年公開された映画『T2 トレインスポッティング』の劇中で流れた"Silk"。儚げなメロディだったり曲のトーンが心に刺さりまして。

そして遅ればせながらデビュー・アルバム『My Love Is Cool』を聴いてみたら、これが単純にオルタナなんて言葉では片付けられない高品質なギター・ロック・アルバムだったわけです。僕は彼らの実力を見誤っていたと認めざるを得ない。今の時代ストリーミングで手軽にアルバムを聴けるわけだし、第一印象だけで決めつけちゃいけませんな。以上、「僕とWolf Alice」でした。

前置きが長くなりましたが、先頃リリースされた彼らの2作目『Visions Of A Life』。まずアルバムに先駆けて公開されたシングルがいずれもクオリティが高くて、いやがうえにも期待感を煽られましたね。

最初の一撃"Yuk Foo"はライオット・ガールを現代にアップデートしたようなパンキッシュなナンバー。続いて発表された"Don't Delete The Kisses"は一転して美しいメロディに胸を打たれる。そして"Beautifully Unconventional"はキャッチーなフックを備えたポップ・チューン、といった具合。

その音楽的レンジの広さはアルバムでも存分に発揮されており、シューゲイザーからグランジ、ドリーム・ポップ、フォークまで多彩なサウンドを披露。それが器用貧乏に陥らないのはバンドのキャラクターがしっかり確立できているから。曲やアレンジもよく練られていて、若いバンドにありがちな「荒削り」という言葉に逃げていない。

バンドのキャラクターといえば、看板であるエリー・ロウゼルのヴォーカルも素晴らしいですね。その歌声は一見華奢な容姿とは裏腹に芯がしっかりしていて、曲調に応じて表情をガラリと変えるあたりも大したもの。

前作を聴いた時も感じたけど、たぶん素顔はすごく真面目な人達なんじゃないかな。1980年代から2000年代までに至る所謂”ギター・ロック”の変遷を俯瞰しつつ、一つ一つの参照点に向き合いながら独自の表現に昇華する過程の努力が透けて見える。『Visions Of A Life』はそんな彼らの真面目さがしっかり実を結んだ傑作です。


Wolf Alice "Yuk Foo"



Wolf Alice "Don’t Delete The Kisses"



Wolf Alice "Beautifully Unconventional"

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