NOWHERE BOY

Getting so much better all the time.

映画『ディス/コネクト』(2012年アメリカ)

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現代のネット社会に巣食う闇を題材にした群像劇『ディス/コネクト』。本作に登場するのはこんな人達。


①弁護士リッチとその息子で音楽が趣味のベン
自室で首を吊り、昏睡状態に陥ったベン。父親のリッチは息子が自殺を図った原因がまったくわからない。2人には普段から親子の会話がほとんどなかった。真相を探ろうとしたリッチはSNSでベンと親しくしている”ジェシカ”というアカウントを見つける。



②元刑事のマイクとその息子でベンの同級生のジェイソン
親友フライといつも悪ふざけをして遊んでいるジェイソンは同級生のベンをからかってやろうと思いつく。SNS上で”ジェシカ”になりすまして(いわゆる「ネカマ」というやつです)ベンに近づき、ベンの破廉恥な写真を学校中に拡散して自殺に追い込む。そんな悪ガキのジェイソンも家では高圧的な父親マイクに抑えつけられていた。



③アダルトチャットで稼ぐ少年カイルとテレビ局の女性レポーターのニーナ
とあるポルノサイトでカイルという少年とチャットをしていた女性レポーターのニーナ。家出した少年少女を出演させているポルノサイトの実態を取材してニュースのネタにしようと考えていたニーナは、カイルに顔を出さない事を条件にインタビューを受けてほしいと頼む。



④子供を亡くして以来、心が冷えきっているデレクとシンディ夫妻
最愛の子供の死を境に互いの心が離れつつあったデレクとシンディ夫妻。シンディは空虚さを埋めるために妻を亡くしたという男とチャットをしていたが、ある時クレジットカード情報が盗まれて全財産を失ってしまった。



上記の4つのエピソードが時に絡み合いながら同時進行で動いていきます。表題の「Disconnect」とは「~の接続を絶つ、切り離す」という意味。本作に登場する人々はそれぞれ親子や夫婦としての繋がりが希薄になっており、リアルの生活で感じる孤独をSNSやチャットで埋めようとした事から大きな事件に発展します。

全体的にカメラワークが非常に巧みで、各登場人物の表情をリアルに捉えています。特に物語が進むにつれて高まっていく緊迫感が頂点に達する瞬間をスローモーションで表現したクライマックスは本作の白眉でしょう。

ネット社会の抱える問題点を鋭く突いていて、普段からネットに依存した生活を送っている僕自身も肝に銘じようと思うところが多々ありましたよ。やっぱり安易に(いろんな意味での)個人情報をネット上にさらすなんて絶対避けるべきですね(´Д`;)

そして物語の締め方も凄くいいと思います。それぞれが負った深い傷とひきかえに、彼らは見失っていた大切なものに気付いた(③の少年と女性レポーターだけは分かりあえずに終わってしまったけど)。鑑賞後はすごく切ない気持ちになりますが(エンドクレジットで先週取り上げたヨンシーの"Tornade"が流れて切なさ倍増)、一見の価値は十分ある骨太な人間ドラマの傑作です。

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